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歯科衛生士の面接

--7. どう切り出す?歯科医院への確認質問--

面接では、こちらから聞きにくいことも。でも、聞くべきことはしっかりと押さえておきたい。そんなとき、押さえておきたい質問術はこちら。

※ 歯科衛生士(正職員)をモデルに記載していますが、歯科医師・歯科助手でも原則は同じです。

これだけは守りたい……確認質問の4つのコツ

歯科医院への希望は「調整をお願いする」という姿勢で話す
「○○を任せてもらえるんですよね?」「残業は断れますか?」など、自分勝手な都合を押し出した確認質問はNG。
この結果、もし歯科医院の答えが“ノー"なら不採用は決まつたも同然だ。
勤務のうえで歯科医院に希望したい事項があれば、その内容と理由を伝えて「調整をお願いできる制度があるでしょうか?」「そうした希望を考慮販Tいただく余地はあるでしょうか?」などと尋ねるのがコツ。


知りたい理由を伝えて「歯科医院への不信感」とは感じさせない
とくに気をつけたいのは、経営状況や社会保険の有無など、歯科衛生士の応募者ことに調整できない事実項目の確認。
この種の確認質問は「前職場も・社会保険完備"だつたはずなのですが、私は適用対象外でした。
もし貴医院に採用された場合、私も適用対象になりますか?」などた知りたい理由も説明するのがコツ。



焦らず相手の話を聞いて、切り出すタイミングを見る
爾接開始後早々に気になること質問するのはNG。
次々と、確認質問を連発するのもNG。
仕事内容・勤務時時間・賃金・休日・休暇などはこちらから聞かなくても面接の流れの中で歯科医院からひと通りの説明があるのが普通のだ。
そのときに面接担当者の話をよく聞いたうえで、不明点だけを尋ねるようにするのが、切り出しやすく質問の数も少なくするコツ。
「意欲があるからこそ聞く」と“前振り"の話を入れる切り出すタイミングとともに聞き方も大切。
ただ「残業は多いんですか?」「有給ってあるんですか?」などズバリと聞くのはNG。
「私は残業にも対応できます。心構えをしておきたいので、通常、みなさんがどのくらい残業しているのか教えてください」と言うと、確認したい内容は同じでも印象は違う。
入職意欲があるからこそ聞きたい……という、簡単な"前振り"を入れるのがコツ。


入職すべき歯科医院かどうかを面接チェック

■こちらからも、しっかりチェックしよう

最近は複数の求人歯科医院による合同歯科医院説明会なども少なからず開催されている。
そうした機会を活用できれば歯科医院選びもしやすいが、圧倒的多数の転職希望者は求人広告を頼りに応募先を探しているのが実情だろう。
しかし求人広告には不明瞭な表現や省略が多く、また必ずしも記述内容が正確ではないこともある。
書類選考を通って「面接まで進んだ!」といって、喜び舞い上がっていてはダメ。
その応募先歯科医院が本当に自分の転職先としてふさわしいかどうかを検討するには、情報量はあまりにも少なかったはず……。
疑心暗鬼になる必要はないが、そこを確認する点に面接の意味があると考え、″雇っていただく″という姿勢を改めるべきだろう。


■自然な流れの中で間けば待遇の質問もOK

面接は本来、雇う側と働く側の希望や条件がマッチするか……お互いに確認し合う場。
だから労働契約の重要事項は、尋ねなくても説明があるのが普通だ。
それに耳を傾け、気になることや疑間があれば、その都度、説明に関連づけて確認しよう。
自然なやりとりの流ねの中で間けば、待遇の質問をしても悪い印象を与えることは防げる。
もちろん、すべての条件が希望通りという歯科医院はきわめて少ない。
だが、納得のうえで譲れるところを譲るのと、絶対不可欠だった条件が満たされていないことを入職後に知るのとでは大違いだ。
もしも重要な項目について面接担当者から何の説明もなく、こちらから質問しても不明瞭な答えしか返ってこない……というようであねば、要注意。
入職できたとしても、歯科医院の内容が懸念さねる。
転職に成功するということは単に入職できればいい、ということではない。
納得のいく歯科医院に入り、自分を生かせる仕事を得られるかどうかだ。
それはあなたの歯科医院選びにかかっている。
なお、注意したいのは自分のキャリアや実力と希望条件とのバランス。
採用基準のレベルも考え合わせて、重視したい条件の優先順位をつけたり、あらかじめ譲歩できる内容や範囲を定めておくことをおすすめしたい。


仕事関連の質問は″熱意の表れ″として聞く

■仕事内容の確認は採用担当者も大歓迎

転職を希望している人の大半は、仕事内容をポイントに歯科医院を選んでいる。
ところが、入職してみたら実際の業務が考えていた内容とは違っていた……というケースも。
入職後の″シマッター″を防ぐうえでは、主業務や守備範囲を含めて実際に携わる具体的な仕事内容の確認も大切だ。
実際、入職意欲があねば、担当となる職種や仕事内容が気になるのは当たり前のこと。
歯科衛生士の応募者の質問は″熱意の表れ″と見られ、面接担当者にも歓迎される傾向がある。
「採用後のポジションや担当はすでに予定されているのでしようか?」「今回の採用では、どんなスキルや経験がとくに求められているのですか?」など、仕事内容に直接関わることならストレートに聞いてみるのが得策だ。


■細かなことにこだわりすぎるのはキケン

ただし、注意したいのは仕事の大変さを心配するような質問や表現。
「業務ノートは毎日つけるのでしようか?」「交通費の精算はどうやるんですか?」「パソコンでの書類作成は歯科助手に頼めますか?」「受付が不在のときは電話番もするのですか?」など、細かなことを根掘り葉掘り間くと、職業人としての柔軟性に欠けていると思われるだけでなく、本当に入職したいのか……と仕事への意欲も疑わねてしまう。
その意味では、あえて面接で確認する必要はない些末な質問は避けたほうが無難だが、どうしても間きたいときは、知りたい理由を説明して尋ねるなどの工夫も必要。
仕事関連の質問だから大丈夫……と考えて、気軽に連発しないように気をつけたい。


お金の質問はタイミングが印象を決める

■ 「仕事より金が優先」と思われないように

面接でお金のことを聞くと悪い印象を与えると考えている転職希望者は多い。
しかし、それは間違い。
賃金形態や歩合給のしくみ、研修期間や試用期間中の賃金の扱いなどについて尋ねることにマイナスイメージをもつ面接担当者は少ないと考えてよい。
ただし重要なのはタイミングと切り出し方。
ここを誤ると「お金が優先の歯科衛生士の応募者」と思われるので慎重に。
とくに注意したいのがタイミングで、基本的には仕事や経歴に関する質疑応答が終わった後。
面接担当者の説明を受けた力タチで行うのがベター。
また具体的な給与額については、歯科衛生士の応募者の評価判定がひと通り出揃った最終面接の終盤、または内定後に話し合うのが一般的。
面接の中途段階で、「私の場合、給与はいくらもらえますか」と尋ねても回答をもらえないことが多い。


■必要性の高さが金額交渉の是非を判断する基準

切り出し方でむずかしいのは給与交渉。
正直なところ、金額交渉に対する面接担当者の考え方や印象にはかなりの格差があるからだ。
堂々と交渉することがコミュニケーションのアピールにつながる例もあねば、歯科衛生士の応募者が交渉姿勢を見せるだけで抵抗感をもつ面接担当者もいる。
その意味では、入職したいので何とか必要な収入を確保したい……という真剣な気持ちを伝えるのもコツ。
交渉ではなく、調整をお願いできるか歯科医院の都合を尋ねるつもりで話すことが大切。
当然ながら、根拠のない法外な金額の提示はNG。
「せっかく採用選考に手間をかけて内定を出しても、賃金が折り合わなければ採用できず、できても勤続してもらえません。
ですから、当社では面接時に給与・賞与など含めた年収ベースでおおよその額を話し合う……。
そのとき経験やスキルをアピールして、納得のいく妥当な希望額を示す人ならば、仕事面や人間性の面でも安心感があります」といった意見も参考にしたい。
そのほか、残業手当や割増賃金、諸手当関連など詳細な質問をするかどうかは自分にとっての重要度次第。
入職の必須条件になることであれば、理由も述べて確認するようにしたい。


お金の質問はタイミングが印象を決める

■ 「仕事より金が優先」と思われないように

面接でお金のことを聞くと悪い印象を与えると考えている転職希望者は多い。
しかし、それは間違い。
賃金形態や歩合給のしくみ、研修期間や試用期間中の賃金の扱いなどについて尋ねることにマイナスイメージをもつ面接担当者は少ないと考えてよい。
ただし重要なのはタイミングと切り出し方。
ここを誤ると「お金が優先の歯科衛生士の応募者」と思われるので慎重に。
とくに注意したいのがタイミングで、基本的には仕事や経歴に関する質疑応答が終わった後。
面接担当者の説明を受けた力タチで行うのがベター。
また具体的な給与額については、歯科衛生士の応募者の評価判定がひと通り出揃った最終面接の終盤、または内定後に話し合うのが一般的。
面接の中途段階で、「私の場合、給与はいくらもらえますか」と尋ねても回答をもらえないことが多い。


■何が問題で、どこまで譲歩できるか事前に考慮

配属地・勤務時間・休日休暇……など、主要な勤務条件や待遇は、求人広告にもよく記載されている。
転職ノウ八ウ本によっては「求人広告を読めばわかるようなことを聞いてはいけない」といったアドバイスもあるが、これは単に確認質問の連発を防ぐためのひとつの方法を提言しているだけ。
気になることがあれば確認してOK。
ただし注意したいのは、勤務条件や待遇について尋ねる質問は、ともすると身勝手な印象を与えてしまいがち……という点である。
「転勤はあるのか?」「配属地はどこになるのか?」「休日出勤があるのか?」など、ストレートに投げかけるのはキケンだ。
質問をする前に、そのことが応募先に勤務するうえでどう問題になるのか、どこまでの譲歩が可能なのかを、事前に整理しておくことが大切。
たとえば「育児との両立のために、勤務地は保育園の送迎時刻に支障のない範囲であることが不可欠」というケースなら、そうした希望を考慮して配属してもらえるかどうかが歯科医院選びの条件。
事情を話して歯科医院の対応を尋ねるほうがベター。


■求人広告にある用語の意味も調べておこう

ある採用人事の専門家によれば、待遇関連では休日に関する質問を細かく聞く歯科衛生士の応募者が多いとか。
「休日はどうなっているのか?」という質問に答えても細かな確認がつづき、休みのことばかり気にする人……と思わざるをえないそうだ。
だが、こねには考えられる原因がある。
ほとんどの転職希望者は雇用関係の用語知識がないのだ。
ちなみに解説すれば、よくある休日表記の意味は次の通り。
「週体制」=週1日の体みがある。
「週体2日制」=月に1回以上の週2日、ほかは週1日の体みがある。
「完全週休2日制」=毎週2日の休みがある。
「3勤1体」=3日勤務し1日体む繰り返し……。
もし週休2日制と完全週体2日制を混同していれば、やりとりが噛み合わないのも当然。
その意味では求人広告の用語の意味を、あらかじめ自分で調べておくことも必要だろう。


歯科医院や職場環境の質問は下調べも必要

■歯科医院への不信感を言葉にしないように注意

経営ビジョンや雰囲気などについて聞くのは、歯科医院への関心をアピールする効果もあり好印象。
だが、逆にちよっと調べればわかる程度のことを聞いて「ホームページを見たなら、そねは書いてあったはずですよ」などと突っ込まねて墓穴を掘らないようにしたい。
歯科医院や職場環境に対する確認質問は、関係資料を見たりなど下調べをしたうえで行うのが基本だ。
また、具体的な情報の入手が困難な小規模な歯科医院の場合は、自分の目で見た職場の様子も判断材料のひとつ。
「皆さんの様子にとても活気を感じましたが、貴医院がいま力を入れていることはどんなことですか?」などと聞けば、経営状況や将来性についての回答も得やすい。
くれぐれも避けたいのは「将来性が気になるのですが、経営はうまくいっていますか?」「求人広告に″業界トップレベル″とありましたが、本当ですか?」といった間き方。
歯科医院への不信感を言葉にすると面接担当者の心証を害し、そんなに不安なら応募しなくて結構……となることもある。


■予想以上にコミュニケーションカが見られる

そのほか、実際に入職してみないとわかりにくいだけに気になるのが″雰囲気″だ。
とくに前職場の雰囲気に何らかの問題を感じていた人は、転職先を吟味したいという気持ちが強くあるはず。
ところが、いざ確認質問となると、よくあるのが「貴医院の雰囲気について教えていただけますか」といった漠然とした聞き方。
これでは「まあ、和気あいあいと働きやすい職場だと思いますよ」などという答えしかもらえない。
実際、同じ社内でも人員構成による職場雰囲気や上司の統括の仕方、各自の仕事の進め方などは部署によっても異なり、それらが織りなす雰囲気を一概に表現するのはむずかしいもの。
面接担当者も、どう答えていいか迷うのが当然だ。
「いったい何が聞きたいのか、回答しにくい漠然とした質問をする歯科衛生士の応募者も多く、コミュニケーシ∃ン能力がわかります」という意見が多いことも知っておきたい。


聞きにくい質問は、慎重に聞こう

■交替勤務制のシフトって、どうやってきまるの?

モデルトーク:
「求人広告には交替勤務制とあり、実働8時間の勤務時間帯も記載されていましたが、実は、私は学生時代のアルバイトの折りの経験だけで、交替勤務制についての理解が不十分であると自覚しています。
勤務に対する心構えをしておきたいので、本人の希望が考慮されるかなどシフトの組み方や、出勤スケジュールが決まる時期など、貴医院の場合のしくみについて、くわしいお話をうかがえるでしょうか?」

■有給休暇はきちんと取れるのだろうか。

モデルトーク:
「以前の歯科医院は非常に多忙で、職場の仲間たちに迷惑をかけずに有給体暇を取るのが難しい状況にあったので、取得に関して細かい決まりをつくり、守っていました。
貴医院では皆さん、どうのような有給休暇の取り方をされていますか、また何か規定を設けていらっしやるようでしたら心構えのために教えていただけますか?」


■アットホームな歯科医院・・・実際は?

モデルトーク:
「貴医院の求人広告の″アットホームな歯科医院″という言葉に注目しました。
実は、前職場も家族的な和気あいあいとした雰囲気で、チームワークが自慢でした。
ただ私自身の反省点としてはアフター5の行事が多いせいで、どうも公私のケジメが薄ねていたかもしれません。
そうした点にも注意して業務に邁進するつもりですが、貴医院でも仕事以外の親睦会などがよく催されるのでしようか?」

■出産や子育てと両立しやすい歯科医院か?

モデルトーク:
「私は、長く勤続することで実務力や適切な対応力を磨いて歯科医院に貢献したいと思っております。
まだ結婚予定はありませんが、家庭と両立して働き続けるのが希望です。
貴医院では女性が多く活躍されていますが、何か出産・育児と仕事を両立するような制度や工夫があるからでしようか? また実際に育児と両立して働いている方がいらつしやるかどうかも教えていただけますか?」